2009年 03月 27日
桧原桜  (ひばるざくら)
桜が満開となりました。

福岡には、「桧原桜」(ひばるざくら)と呼ばれる桜の名所があります。今、公園として整備され、市民に愛されている場所ですが、この桜については、心温まるエピソードがあります。今日はその話を書いてみます。

福岡の南に桧原(ひばる)というところがあります。そこに古い桜の木がいくつかあり、毎年美しい花をさかせていました。しかし、昭和50年代、道路拡張工事によって、その桜が切られることになりました。
桜の木が切られるとわかったある朝、一枚の色紙が桜の木にかけられていました。

     花守り 進藤市長殿

        花あわれ  せめてはあと二旬 
         
              ついの開花を  許したまえ

花守り、と呼ばれたのは、当時の市長、進藤一馬氏です。

さくらの花にかけられた色紙のことは新聞にも載り、続々と、花を守りたいという歌がかけられました。
ある日、桜の木にこんな歌がかけられていました。

        桜花(はな)惜しむ  大和心の  うるわしや

             とわに匂わん  花の心は

                                   香瑞馬

それは、進藤市長の雅号の歌でした。
市民の桜の木に寄せる歌が市長の心を動かし、切られないことになったのです。
道路は少しばかりルートを変えて作られることになり、今はすぐそばを高速道路が走っていますが、桜の木は無事で、毎年美しい花を咲かせてくれます。

「道路反対!!」とコブシを上げ、デモをして、意思表示をするのではなく、「和歌」という雅な行為によって桜の木が守られたのです。市民の心を汲んでくださった市長もすばらしい方でした。今は既にお亡くなりになりましたけれど、進藤市長の名前は、ずっと市民の間に記憶されてゆくことでしょう。


上の「花あわれ・・・」の歌と、市長の「桜花惜しむ・・・」のうたが歌碑になっています。
着物の婦人が熱心に眺めていらっしゃいました。

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この話は、小学校などでも取り上げられているようです。
子どもたちが作った歌が、フェンスに飾られてありました。
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「桧原桜」は今では地名にもなりました。
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私が行った時にも、短冊がいつくか括りつけられていました。王朝時代にタイムスリップしたようです。
この方はご自分の短冊を掛けようかどうか迷っていらっしゃるのでしょうか・・・

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「桧原桜」よ永遠に・・・
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by mimishimizu3 | 2009-03-27 20:45 | 福岡


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