2009年 10月 27日
植物園で秋のバラを撮ってから、さてどうしよう・・と思い、そうそう、もしかしたら、ムベの実がなっている頃かもしれないと気づき、行ってみました。 ムベの花は、07年4月27日にアップしています。 可憐で清楚な花が、秋の今、紫のアケビに似た実をつけていました。 この木がなぜ、「ムベ」と呼ばれるようになったのか・・・ それには面白い言い伝えがあるのですね。 ネットでこんな記事を見つけました。 『 晩秋、ほのかに甘い赤紫の実のなるアケビ科の低木「ムベ」。この植物の語源が、天智天皇が発せられた一言だったということをご存じだろうか。 琵琶湖のほとりに位置する滋賀県近江八幡市の北津田町には古い伝説が残っている。蒲生野に狩りに出かけた天智天皇がこの地で、8人の男子を持つ健康な老夫婦に出会った。 「汝ら如何(いか)に斯(か)く長寿ぞ」と尋ねたところ、夫婦はこの地で取れる珍しい果物が無病長寿の霊果であり、毎年秋にこれを食するためと答えた。賞味した天皇は「むべなるかな」と得心して、「斯くの如き霊果は例年貢進せよ」と命じた。』 ムベは、そんなに栄養のある、おいしい実なのでしょうか・・・・ アケビは食べたことはありますが、ムベは食べたことはありません。 野山に自生しているのも見たこともありません。一度食べてみたいですね。 それと むべ、といえば、私はすぐに思い出す歌があります。 百人一首にもとられているから、ご存知の方も多いでしょう。 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ 文屋康秀 古今集、秋の歌 下 の巻頭を飾っている歌です。 若いころ、この歌を読むたびに「つまらない歌だなあ・・・」と思ったものです(笑) 山に風がふいて、草木がしおれた・・・なるほど嵐だなあ・・・ 山の風だから「嵐」、こんな屁理屈にもならない、言葉遊びだけの歌を作っているから、明治時代、正岡子規に「歌よみに与ふる書」の中で、「貫之は下手な歌詠みにて、古今集はくだらぬ集に有之候」といわれるのだ・・・ でも、でも・・・・ 年を重ねるということは、感性も感覚も変化していくものなのでしょう。 最近、この歌を口の中で転がしてみて、そのすばらしいリズム感に驚いてしまいました。 歌というのは、単にその内容、歌い方、だけでなく、こうした言葉遊びだけでも大いに良いではないか・・このさわやかなリズム感を、定家も愛したから「百人一首」にも取り入れたのではないか・・・ 若いころの一方的な見方から開放されたのかもしれません。 今度のお正月にはひさびさに百人一首を出してみようとおもいました。 三つ目のムベをめぐる話・・・ それは漢字のことです、 ムベは漢字で書くと「郁子」 なぜ、「いくこ」が「ムベ」になったのか・・・ 知らなければ読めない字です。経緯があるなら知りたいものです。 ご存知の方がいらしたら、教えてください。
by mimishimizu3
| 2009-10-27 11:47
| エッセイ
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