2010年 04月 15日
桜宇宙に・・・
学生時代から、短歌を続けている友人が同人誌を送ってきた。
ぱらぱらと見ているうちに、ふと次の歌に目が留まった。
  
     しだれ枝の  もなかに入りて   抱かるる

          四月の丘の  桜宇宙に
                                 笠原千紗子

枝垂桜の美しさは、ブログでもたくさんの方が、写真に撮り、アップされていた。見事というしかない枝垂桜のすばらしさを私もたくさん楽しませてもらい、堪能させていただいた。
しかし、それらは多くの場合、外側から、枝垂桜の美しさを追い求めたものが多かったように思う。

「もなかに入りて」・・・・
短歌に歌われたその言葉に私ははっとした。
たしかに、枝垂桜の「も中に」「入って」みたら、外から見るのとはちがった枝垂桜の美しさが見えるのかもしれない。
それは「四月の丘の」「桜宇宙」なのかもしれない・・・・

私は矢も楯もたまらなくなり、枝垂桜のある城跡を訪ねてみた。

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枝垂桜は盛りを過ぎ、終わりかかっていた。それでも私はしだれの中に入っていった。
私は目を閉じた。やわらかい春の日差しが、透過光となってふりそそいでいる。桜の満開のとき、そこはきっと、ほんのりとした桜色に包まれていたにちがいない。桜色の《宇宙》がたしかに存在していたにちがいない・・・
「桜宇宙」、なんというやさしい、美しい言葉なのだろう。

私は、久しくあっていない、品のあるやさしい友の顔を思い浮かべた。
城跡の枝垂桜は私に、なつかしい友の香りを運んできてくれた。

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by mimishimizu3 | 2010-04-15 09:03 | エッセイ


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