2010年 05月 23日
ナメクジとビール
5月も下旬となり、緑の色が深まってきた。
それにつれて、木の下には小暗い影ができている。
その湿った薄暗さが心地いいのだろうか、この時期、だんごむし、蟻、ナメクジ等、庭の小動物は活動が活発で、子孫を増やそうとたくましく生きている。
花の苗を植えても一晩で食べ尽くされたということは私もしばしば体験した。

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女ばかり7,8人いただろうか、あるところでおしゃべりに花が咲いていたとき、話題がそんなところに向いていった。
ペチュニアを植えたのに、花だけきれいに食べつくされていて、腹が立ったと一人が言うと、一人は昨年はイチゴがたくさん採れたのに、今年はナメクジにみんなやられていると嘆いた。
すると一人が言った。
「ナメクジはビールが好きだから、ビールを撒いておいたら一網打尽に退治できるのよ」
ナメクジはビールが好きという話は私も聞いたことがある。初めて聞いたときはへえーーと驚いたが、これはたしかに本当のことらしい。
すると別の一人が笑いを含んで言った。
「でも、ナメクジってちゃんとしたビールには寄ってくるけど、発泡酒にはよってこないんですってよ」
みんながいっせいに、ほんと?と言う顔をしたとき、一人がすらっと言った。
「あら、うちの主人、きのうの夕食で発泡酒出したけど、なんにもいわなかったわよ、わからなかったみたい」

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多分1秒間ぐらい、部屋はしーんとし、そしていっせいに、壁が割れるのではないかと思われるほどの大爆笑が起こった。
爆笑はうねり、波になりしばらく続いた。まさにみな、お腹を抱えて笑い転げた。言った本人も、言ったあとになってその意味するところに気がついたのだろう、苦笑を禁じえないようだった。


時として、何の悪意もないけれど、思わず笑ってしまうということは起こるものだ。発泡酒と普通のビールの区別がつかなくたっていっこうにかまわないけれど、ナメクジと比較されるとやはり笑ってしまわざるをえない。さらっといった彼女の言い方も悪意がないだけに、よけいみなの笑いをさらってしまったのだろう。

しかし、この話は落ち着いてよく考えてみると、別に笑うべき話ではないかもしれない。
私たちがあの場で笑ったのは、人間ともあろう高等生物がナメクジごとき下等生物に劣っているはずはないという無意識の前提に基づいているからであろう。
しかし、人間が聞こえない音を聞き取る動物はたくさんいるし、人間がみえない光を認識できる動物もたくさんいる。
ナメクジがほんとうに普通のビールと発泡酒を区別できるのかどうかは知らないが、できたとしても不思議はないかもしれない。

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そんなことを考えていたら、5月22日の朝日新聞の天声人語にこんな記事が載っていた・
「米国の動物園に《最も危険な動物》という展示があると聞いた。オリの中に鏡があって見物人が映る。つまり人間である。」

人間はこの地球上で一番傲慢で、一番危険で、一番厄介な動物なのだろう。生きとし生けるものすべてをもっと大事にしなくては・・・とその記事を読んで思った。

でも、でも・・・・ナメクジはやっぱり気味が悪いデスネ。 (-^〇^-)(-^〇^-)(-^〇^-)

by mimishimizu3 | 2010-05-23 12:57 | エッセイ


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