2011年 10月 01日
ハスの花が過ぎ、葉っぱも枯れ、折れ曲がったような状態の蓮を「破れ蓮(ヤレハス)」と呼ぶということは、以前どなたかに教えていただきましたが、同じ状態の蓮を「敗荷」とも表現することがある、ということを私に教えてくださったのは、初老の上品な男性でした。 「敗荷?」 わたくしがそういぶかると、その人は穏やかな口調でいいました。 「与謝野鉄幹に“敗荷”と言う題の詩があるのですよ。全部は覚えていませんが、その中に、 花もろかりし、人もろかりし・・・というフレーズがありましてね。それだけは忘れられません」 私は早速与謝野鉄幹の「敗荷」をネットで探しました。 廃荷 夕(ゆうべ)不忍池(しのばす)の池ゆく 涙 おちざらむや 蓮 折れて月うすき 長だ亭(ちょうだてい) 酒寒し 似ず 住の江のあづまや とこしへと云ふか わずか ひと秋 花 もろかりし 人 もろかりし おばしまによりて 君節目がちに 嗚呼(ああ)何とか云ひし 蓮に書ける歌 福岡のお堀にはずっと蓮が植えられていて、毎年綺麗な花を咲かせてくれます。花が終わり、枯れた状態になると、きれいに刈り取られ、水鳥がわたってきて、またひとつの風物詩になっているのですが、ある年、枯れた蓮が刈り取られず、そのまま放置され「敗荷」の状態のままのときがありました。 秋がたけ、冬が来て、冬がさり、春が来て桜が咲き、その桜が散り出すと、「敗荷」の周りに花筏ができました。 「花もろかりし 人もろかりし・・・・」 私はそのフレースを口ずさみながら、「敗荷」と花筏を見つめました。
by mimishimizu3
| 2011-10-01 08:43
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