下校時、小学生がランドセルをカタカタと鳴らしながら、橋の上まできました。
突然、ひとりの女の子が欄干のそばにしゃがみこみ、動こうとしません。
「用草を食う」という言葉を広辞苑でひくと次のように出てきました。
(馬が路傍の草を食って進行が遅くなることから)途中で暇を費やす、横道にそれて手間取る
この女の子は、道草を食って何を眺めていたのでしょう。
橋の下には春の光を浴びたせせらぎがあります。
風も心地よく吹いています。
小鳥の声も聞こえます。
今の時代、「効率」という名の下に、目的地に以下に早く着くか、いかにまっすぐに行くかが問われているようですが、この女の子はまっすぐに家に帰るのではなく、ちょっと「道草を食って」います。
「効率」より大事な何かを、この子はこの時間で味わっていたのかもしれません。