2007年 09月 04日
蜩をもとめて
ある方のブログで、蜩がないている、とありました。

蜩・・・ヒグラシ・・・・それを見て、私はしばし感慨にふけりました。
そういえば、私はもう何年もヒグラシを聞いていないのではないか・・
あぶらぜみや、つくつくぼうしはいやというほど聞こえてくるのに、ヒグラシのあの、カナカナカナ、カナカナカナ・・・という鳴き声は、最近聞いた記憶がありません。
そう思うと、矢も楯もたまらず、ヒグラシが聞きたくなりました。

午後遅く、私は年に何回かは訪れる、近くの山の中腹にあるお寺まで行ってみることにしました。

山道にはいると、ひんやりとした風が肌を心地よくなでていきます。
紅葉にはまだまだ早いけれど、それでも、はぜの木は何枚か色づいているのもあります。
季節は確実に巡っているのです。

ふと、雑木の中に、ひときわ目を引く黄色い花を見つけました。
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 (後で調べると、これはカエデドコロというつる性の植物とわかりました)

さらにいくと、マメ科の植物と思われるかわいい花がありました。
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 (これはコマツナギ、という名前のようです)

その写真を撮っている時、私の耳にふと、「カナカナカナ・・・カナカナカナ・・・」という声が聞こえてきました。
私は急いでカメラをしまうと耳を澄ませました。
確かにヒグラシです。

カナカナカナ・・・カナカナカナ・・・・
何故か切ないような、物悲しいような・・・
ツクツクボウシの強烈な鳴き声に混じって、かき消されそうになりながらないています。
カナカナカナ・・・カナカナカナ・・・・

私はそこに立ち尽くしました。

風がさっと来て、樹木をゆすりました。黄ばんだ葉っぱがさらさらっと流れるように落ちてゆきました。
「秋なのだ」
私はそうひとりごち、その1枚の葉っぱを拾いました。

そういえば、ヒグラシは秋の季語。
めぐり行く季節の中で、私はヒグラシの鳴き声に聞き入りました。

by mimishimizu3 | 2007-09-04 06:54 | エッセイ


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