2007年 10月 29日
白い秋
「白秋」という言葉は福岡県の柳川が生んだ詩人、北原白秋の固有名詞とばかり思っていた。それが、秋の異称と知ったのはつい最近のことである。
電子辞書を買い、その中の広辞苑であれこれ出して遊んでいた時、偶然に五行説で白を秋に配する、秋の異称という箇所に出会ったのだ。

そうなのか、秋は「白」なのか、と思った。
青春、朱夏、という言葉は知っていたし、イメージとして、春が青、夏は朱、というのもすぐうなずける。
だが秋はとなると、あまり考えたこともなかった。

「白い秋」

そうなのだ、秋は白なのだ。
そう思って周囲を眺めると、カチーンと音がしそうなほど透明に澄んだ秋の空気の中に、「白」が漂っている。
空の色も、風のにおいも、陽の光も、白の中にきらめいている。

ススキの白も、秋の白の中で揺れている

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白い秋の次には、玄(くろ)い冬がやってくる。
昔はやったオフコースの歌の中に、「さよなら、さよなら、さよなら、もうすぐ外は白い冬」という歌詞があったが、それは、雪のイメージから冬を「白」としたのだろう。
が、冬の季節全体の色としてはやはり黒、というよりやはり「玄」という字を当てる「玄冬」であろう。

私の人生もまもなく冬に入っていくのだろう。玄冬・・暗い、寂しい、玄い冬が来るのかもしれない。
その前に、「玄冬」が来る前に、「白い秋」を精一杯、生きていきたい・・・

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そういえば、毎年柳川で行われる「白秋祭」はもうすぐである。北原白秋の命日は11月2日だったはず・・。
自分のペンネームを「白秋」とつけた北原白秋は、まさに「白秋」の中に、この世を去って行ったのだ。
それもまた、天才的詩人の死に様でもあったのだろうか。
久々に、白秋の詩集をひも解きながらそんなことをふとおもった。

by mimishimizu3 | 2007-10-29 09:14 | エッセイ


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