2008年 10月 23日
三曲と呼ばれる、筝 三絃 尺八の演奏会があるから行きませんか、と友人がさそってくれました。(10月19日) 考えてみれば、ピアノやヴァイオリン、オーケストラなどの西洋音楽の演奏会には、お金を払ってでも、よく出かけてゆくのに、和楽器にはそういうことはあまりありません。 でも、いつでしたか、「津軽三味線」の演奏会にゆき、もう、それはそれは、感動したことがあります。胸を打たれた、というような生易しい表現ではたりません。「肺腑を抉られた」といったほうがぴったりです。 和楽器の持つ響きは、日本人のDNAの中に入っているのかもしれません。年とともに、太鼓や三味線、それらの音がとても親しく感じられるようになっていた私は、喜んで出かけてゆきました。 1 尺八の持つ音色は、哲学的でさえありますね。 2 尺八とおことの演奏、 男性は紋付袴、女性は和服、まさに伝統的スタイルの方々 3 最近は椅子で和楽器、といおうのも珍しくなくなりました。 お茶にも「立礼」があるのですから、あたりまえでしょうね。 4 なんと言っても私が一番強い印象を持ったのがこのグループでした。 「伝統」をそのまま踏襲するだけではなく、伝統の上に立ちながら、新しい息吹を和楽器に吹き込んでいく・・・そういった思いが込められているのでしょう。 若い女性を中心に、私には詳しいことはわかりませんが、多分、技法的にも新しい境地を開拓されているのだろうな、と思われる演奏でした。 衣装も、決してけばけばしくはないけれど、スパンコールの効いた華やかなドレスでした。 上のこととは関係ないことですが・・ 今、10月23日朝8時30分 新聞を読んでいて、死亡欄に目が釘付けになりました。 「坂口菊枝」さん、連合赤軍事件の坂口弘死刑囚の母親、93歳。 連合赤軍事件は今でも生々しく思い出す忘れられない事件です。血が凍るようだ、とはああいうことを言うのでしょう。 坂口弘はその中心的人物でした。 その坂口弘は死刑が確定し、獄に入ってから、短歌を詠み始め、「朝日歌壇」によく入選していました。 私がとても興味を持ったのは、あれだけのすさんだ、乾いた、人間としての感情も全てなくしていた人が、監獄で短歌を始め、それによって「心」を、人間らしさを取り戻していったということです。 短歌という叙情に救われた・・・といってもいいのでしょう。 短歌というものには、それだけの力があるのだと思います。 短歌によって、人としての感情を再びよみがえらせ、初めて自分がしたことの罪の重さに気づき、贖罪の意識に目覚めていったのでしょう。 以前読んだ、坂口弘の歌にはそういった歌が多かったように記憶しています。 それと、私の胸を打ったのは、母親としての菊枝さんの姿です。 あれだけ凄惨な事件を起こし、犠牲者だけでなく、犠牲者家族をも哀しみ、苦しみのどん底に落とし、日本中を恐怖に包み、人として許されざることをした息子を、謝っても謝り切れない、償っても償いきれない、「世間」「世界中」の人すべてが思い、菊枝さん自身そう思ったであろうけれど、でも、でも、その次元とは別に、、「息子」は「息子」として最後まで支えたということは、なかなかできることではないでしょう。 どんなことがあっても、「私の息子」その強い母の愛があったからこそ、坂口弘は人間としての心を取り戻すことができたのでしょう。 弘の作った短歌を、歌人の佐々木幸綱氏に届けた、という短い記事に、私は目頭が熱くなりました。 ご冥福をお祈りいたします。
by mimishimizu3
| 2008-10-23 06:33
| 福岡
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