そこは、私の何時もの散歩道でした。小学生の通学路でもあります。
だから、その道はもうすっかり知ったつもりでいました。その道のほとりに、その木が在ると言う事もしっかりと頭に入っているはずでした。
でも、
その木が何の木であるかということは、ついぞ考えたこともありませんでした。
何時ものように散歩していて、ふと、足元に赤い実が落ちているのに気づき、その形から、ひょっとして・・・もしかして・・・グミ?・・と思い足を止め、その木を眺めました。
よく見ると所々に赤い実がぶら下がっています。
グミです。
グミだったのです。
懐かしさがこみ上げてきました。
幼い頃、よく山でこの実を探し、食べたものです。
一つ、そっと口に含んで見ました。甘酸っぱい思い出が口いっぱいに広がりました。